review notes
ミステリーとしての読みどころ
大雨の夜、急カーブの続くダイクス・コーナーで起きた自動車の衝突事故から幕が開く警察小説です。
不適切な場所に停められた車のなかから、男の死体が見つかります。ところが調べてみると、彼は事故の二時間も前に、すでに一酸化炭素中毒で亡くなっていたことが判明します。被害者は各地にチェーンストアを展開する実業家で、強引な出店で地元商店の反発を買い、私生活にも波風が絶えなかった人物。おのずと容疑者は次々に浮かび上がり、事件は混迷していきます。地元警察の見立てに引きずられず、あらゆる可能性を追うのが、ロンドン警視庁から招かれたマクドナルド首席警部です。
作者E・C・R・ロラックは、実作の多さと安定した手堅さで黄金期の英国本格を支えた書き手で、マクドナルド首席警部を主役とするシリーズで知られます。雨に煙る田舎道の情景と、地道な捜査の積み重ねを味わえる一冊です。
(出典: 東京創元社「曲がり角の死体」作品紹介 / Web東京創元社マガジン / 書評サイト複数)
❦ ❦ ❦