review notes
ミステリーとしての読みどころ
七つの短編からなる作中作と、それを読み解く現在の物語が交互に進む、構造そのものを楽しむ本格ミステリです。
かつてミステリ短編集を世に出した元数学教授グラント・マカリスターは、地中海に浮かぶ小島で長く隠棲してきました。物語は、その短編集を復刊しようと企画した編集者ジュリアが島を訪れ、二人で収録作を一作ずつ読み返していくところから動き出します。フーダニット、不可能犯罪、孤島で発見される死体など、それぞれ趣の異なる短編が入れ子に配され、読み進めるほどに本そのものをめぐる関心が立ち上がってきます。
著者アレックス・パヴェジは数学の博士号を持つロンドン在住の作家で、本作がデビュー作にあたります。刊行時には英米の年間ベストミステリにも選ばれた、技巧の効いた一冊です。
(出典: 早川書房/版元ドットコム書誌 / WEB本の雑誌 杉江松恋評 / Goodreads)
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