review notes
ミステリーとしての読みどころ
サリー州の館チョールフォントを舞台に、便宜結婚の綻びから殺人へと向かう、フレンチ警部ものの一作です。
幼い娘を抱えた若い未亡人ジュリアは、事務弁護士リチャード・エルトンと打算に基づく結婚を結び、館の女主人として社交の場を切り盛りしていきます。しかしやがて彼女は別の男性に惹かれ、夫婦のあいだには埋めがたい溝が生まれます。そんな折、屋敷で人が殺され、それまで表に出なかった家庭内の秘密が一つずつ明るみに出ていきます。
作者F・W・クロフツは、アリバイ崩しと足で稼ぐ地道な捜査で知られる黄金期英国の代表的作家です。本作もロンドン警視庁のフレンチ警部が、若い部長刑事を伴って、いつもの丹念な手つきで事件を解きほぐしていきます。派手さよりも捜査の手続きそのものを楽しむ読者に向いた、後期クロフツの一冊です。
(出典: 東京創元社「チョールフォント荘の恐怖」書誌 / 英語版Wikipedia「Fear Comes to Chalfont」 / 日本語版Wikipedia「F・W・クロフツ」)
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