review notes
ミステリーとしての読みどころ
静かな古いホテルの闇から響く、子供の悲鳴。そこから物語が立ち上がる、黄金期英国の一編です。
引退した名刑事リングローズは、旧知の友人が営む旧領主邸を改装したホテルを、休暇のために訪れます。ところが深夜、彼はどこからともなく助けを求める子供の声を耳にします。不審に思って事情を尋ねると、同宿の老婦人から思いもよらない答えが返ってきます。その子供は、一年以上も前にこのホテルで亡くなっているのだ、と。
作者イーデン・フィルポッツは、後進の作家たちにも影響を与えた英国の大家で、ミステリの分野では『赤毛のレドメイン家』が広く読み継がれています。本作もその代表作と並べて語られることの多い一冊。不穏な発端から張り詰めた空気を保ち続ける筆致は、謎解きよりも心理の綱引きに引き込まれる読者に響くはずです。
(出典: 東京創元社「闇からの声」作品紹介 / honto紙の本書誌 / 英語版Wikipedia「Eden Phillpotts」)
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