review notes
ミステリーとしての読みどころ
黄金期アメリカのミステリ。演劇プロデューサー、ピーター・ダルースと女優の妻アイリスを主役に据えた「パズル」シリーズの第3作。
物語は第2次大戦の最中に始まる。海軍に身を置くピーターが、束の間の休暇を妻と水入らずで過ごそうとサンフランシスコを訪れる。ところが宿の確保に手間取るうち、二人は思いがけない事件に巻き込まれていく。チャイナタウンやサーカスの裏手を駆け抜ける展開からもうかがえるとおり、本作は腰を据えた謎解きよりも、追う側と追われる側が入れ替わる巻き込まれ型サスペンスの趣が強い。
パトリック・クェンティンは、リチャード・ウェッブとヒュー・ウィーラーが組んだ合作ペンネーム。軽妙な語り口と凝った筋立てで、戦時下のアメリカらしい疾走感のある一編に仕立てている。
(出典: 東京創元社 書誌情報 / 翻訳ミステリー大賞シンジケート 書評 ほか)
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