review notes
ミステリーとしての読みどころ
精神科医の名探偵ベイジル・ウィリング博士が登場する、ヘレン・マクロイのシリーズ作にあたるミステリです。
物語は、夫を崖からの転落事故で亡くした未亡人アリスが、書斎で遺品を整理していた際に、ある人物の名が記された封筒を見つけるところから動き出します。やがて息子が一人の女性を家に連れて帰り、その素性をめぐる疑念から、アリスの胸には不安が少しずつ膨らんでいきます。
マクロイは登場人物の心理を掘り下げる作風で知られ、本作はサスペンス色の濃い一作として、静かな家庭に忍び寄る不穏を丁寧に描きます。長く邦訳が待たれていたウィリング博士シリーズの一冊で、新訳によって読めるようになりました。
(出典: 東京創元社「悪意の夜」書誌 / 翻訳ミステリー大賞シンジケート 紹介記事)
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