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REVIEW · 書評
N° 298 · 2026-06-29
二人の妻をもつ男 表紙画像
黄金期米国古典

二人の妻をもつ男

パトリック・クェンティン / 東京創元社(創元推理文庫)
" 一つの嘘が泥沼を呼ぶ、クェンティン後期の心理サスペンス
#黄金期の薫り#巻き込まれ#心理サスペンス
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📝 書評 世評・資料をもとに、当サイトの選書基準で構成した書評です ✓ 結末・犯人・トリックの種類には触れていません
review notes

ミステリーとしての読みどころ

黄金期アメリカのミステリの書き手による、後期の心理サスペンス。

出版社の重役として社長令嬢を妻に迎え、満ち足りた暮らしを送っていた主人公。ある晩、別れたはずの前妻と街角で再会したことから、その生活に暗い影が差していく。家族をかばう気持ちからついた一つの嘘が、第二、第三の嘘を呼び、やがて主人公は殺人事件のただ中へと引きずり込まれる。

パトリック・クェンティンは、リチャード・ウェッブとヒュー・ウィーラーが組んだときの合作ペンネーム。本作は、本来は誠実な人間がたった一度の偽りからほころびを広げていく、というこの書き手たちの得意とする構図を体現した作品で、追い詰められる男の内面を密度高く描き出す。謎解きの興味と人物の心理が分かちがたく結びついた一編。

(出典: 東京創元社 書誌ページ / The Passing Tramp ほか英語圏書評)

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書誌情報

出版社
東京創元社 / 創元推理文庫
原書刊行年
1955
邦訳刊行年
1960
ISBN-13
9784488147013
系譜
黄金期米国古典