review notes
ミステリーとしての読みどころ
過去の事件を名探偵が掘り起こす、ライツヴィルものの長編本格。架空の町ライツヴィルを舞台にしたシリーズの一作で、戦地から故郷へ帰還した青年が、心に深い傷を負ったまま苦しんでいる。その背景には、十二年前に父が母を毒殺したとされる事件の影があった。青年を救うにはこの古い事件の真相を確かめるほかなく、エラリーは遠い過去へと調査を向ける。すでに決着がついたはずの事件を、残された記録と証言から論理で再検証していく構成で、現在進行形の殺人を追う通常の本格とは趣が異なる。家族の物語としての厚みと、手がかりを積み上げる推理の手際が両立しており、中後期のクイーンが人間ドラマへ踏み込んでいった時期を代表する一編といえる。
(出典: 早川書房 公式書誌 / Wikipedia「フォックス家の殺人」・読書メーター)
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