review notes
ミステリーとしての読みどころ
ダイイングメッセージを扱った、1950年代のエラリー・クイーン長編本格。タイトルと枠組みはナサニエル・ホーソーンの古典『緋文字』を下敷きにしている。結婚して数年、すでに心の離れた夫婦と、その妻に接近していく舞台俳優をめぐって、エラリーと秘書ニッキー・ポーターが事態を見守る形で物語は進む。事件の謎解きそのものよりも、関係がこじれていく人々の心理描写に多くの紙幅が割かれているのが本作の特徴で、純粋なパズラーを期待すると構成の異色さに戸惑うかもしれない。それでもダイイングメッセージという手がかりを論理で読み解く本格の核は保たれている。1950年代に入って人間ドラマへ比重を移していった時期のクイーンを知るうえで、興味深い位置にある一作。
(出典: aga-search クイーン作品解説 / honto・Amazon.co.jp 商品情報)
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