review notes
ミステリーとしての読みどころ
ロンドンの喫茶店で耳にした、たったひとつの会話から犯罪の匂いを嗅ぎつける――そんな発端から動き出す一冊です。
会話の主はアメリカ人の劇作家シェルドン・ギャレット。隣席の女二人が交わす不穏なやり取りに、彼はこれから起きる犯罪の気配を感じ取ります。ところが尾行はうまくいかず、警察に訴えても取り留めのない妄想と一蹴されてしまいます。誰も本気にしないなか、彼の話に真剣に耳を傾けたのが、名探偵アントニイ・ゲスリンでした。
作者フィリップ・マクドナルドが探偵ゲスリンを主役に据えたシリーズの一冊で、その代表作に挙げられることの多い作品です。わずかな手がかりを積み上げて企みの輪郭を描き出していく論理の運びと、犯罪を防ごうとする側と企てる側の攻防が生む緊迫感が読みどころ。興味深い発端から張り詰めた終局へと、無駄なく運ばれていきます。
(出典: 東京創元社「Xに対する逮捕状」作品紹介 / 英語版Wikipedia「Anthony Gethryn」 / 書誌データベース複数)
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