review notes
ミステリーとしての読みどころ
黄金期の本格ミステリ。「不可能犯罪の巨匠」と呼ばれたジョン・ディクスン・カーが、まだ二十代の初期に手がけた一作で、予審判事アンリ・バンコランを探偵役に据えたシリーズに連なる。
舞台はドイツ、ライン河畔にそびえる髑髏の形をした奇城。かつてこの城の主であった稀代の魔術師が、走行中の列車から姿を消したという謎めいた過去がある。それから十七年、城を継いだ男が炎に包まれて城壁から転落して死ぬ。捜査に乗り出したバンコランは、そこで好敵手であるベルリン警察の捜査官と再会し、フランスとドイツ、二人の名探偵が推理を競い合うことになる。
ゴシックホラーを思わせる舞台立てと、霧と影に彩られた怪奇な雰囲気は、後年の代表作群に通じる若き日のカーの色合いをよく伝える。
(出典: 東京創元社 書誌ページ〔原題 Castle Skull〕 / Web東京創元社マガジン ほか)
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