review notes
ミステリーとしての読みどころ
黄金期の本格ミステリ。「不可能犯罪の巨匠」ジョン・ディクスン・カーの代表的な探偵、ギデオン・フェル博士が登場するシリーズの一編。
舞台はロンドン、中東の美術品を集めた私設博物館。深夜の博物館で、付け髭をつけ、手に料理本を握った男の奇妙な死体が見つかる。事件の発端から捜査までを、それぞれ立場の異なる三人の捜査関係者が、後日フェル博士のもとで順に語り聞かせていく。本作はこの三部構成の語りそのものが趣向になっており、語り手が代わるごとに事件の像が組み替わっていく。
題名の「アラビアンナイト」は、一夜のうちに三つの物語が語り継がれる構成に由来する。安楽椅子探偵として最後に登場するフェル博士の推理に至るまで、手がかりを几帳面に積み上げる作りに、カーの本格作家としての腕前が表れている。
(出典: 東京創元社 書誌ページ / Wikipedia "The Arabian Nights Murder" ほか英語圏書評)
❦ ❦ ❦