Top Reviews 蝋人形館の殺人
REVIEW · 書評
N° 300 · 2026-06-29
蝋人形館の殺人 表紙画像
黄金期米国古典

蝋人形館の殺人

ジョン・ディクスン・カー / 東京創元社(創元推理文庫(新訳版))
" パリの蝋人形館と秘密クラブが醸す、初期カーの怪奇趣味
#黄金期の薫り#不可能犯罪#雰囲気
Kindle で読む 紙の書籍
本ページのリンクは Amazon アソシエイト・プログラムにより収益を得ています
📝 書評 世評・資料をもとに、当サイトの選書基準で構成した書評です ✓ 結末・犯人・トリックの種類には触れていません
review notes

ミステリーとしての読みどころ

黄金期の本格ミステリ。「不可能犯罪の巨匠」ジョン・ディクスン・カーが初期に手がけた一作で、パリ警察の予審判事アンリ・バンコランを探偵役とするシリーズに連なる。

物語は、蝋人形館に入っていく姿を最後に消息を絶った令嬢が、翌日セーヌ河で他殺死体となって見つかるところから動き出す。最後の目撃場所である蝋人形館を訪れたバンコランは、館の薄暗い展示室で、半人半獣の蝋像に抱かれたもう一人の若い娘の死体を見つける。手がかりは、仮面をつけた上流階級の会員たちが集う秘密クラブへとつながっていく。

蝋人形のひしめく館、霧のパリ、退廃的な秘密クラブと、怪奇趣味の濃い舞台が全編を覆う。後の本格長編へ向かう前の、若いカーの色彩が際立つ一編。

(出典: 東京創元社系書誌・黄金の羊毛亭 / Wikipedia "The Waxworks Murder" ほか英語圏書評)

❦ ❦ ❦

書誌情報

出版社
東京創元社 / 創元推理文庫(新訳版)
原書刊行年
1932
邦訳刊行年
2016
ISBN-13
9784488118310
系譜
黄金期米国古典 / 名探偵もの