review notes
ミステリーとしての読みどころ
黄金期の本格ミステリ。「不可能犯罪の巨匠」ジョン・ディクスン・カーが初期に手がけた一作で、パリ警察の予審判事アンリ・バンコランを探偵役とするシリーズに連なる。
物語は、蝋人形館に入っていく姿を最後に消息を絶った令嬢が、翌日セーヌ河で他殺死体となって見つかるところから動き出す。最後の目撃場所である蝋人形館を訪れたバンコランは、館の薄暗い展示室で、半人半獣の蝋像に抱かれたもう一人の若い娘の死体を見つける。手がかりは、仮面をつけた上流階級の会員たちが集う秘密クラブへとつながっていく。
蝋人形のひしめく館、霧のパリ、退廃的な秘密クラブと、怪奇趣味の濃い舞台が全編を覆う。後の本格長編へ向かう前の、若いカーの色彩が際立つ一編。
(出典: 東京創元社系書誌・黄金の羊毛亭 / Wikipedia "The Waxworks Murder" ほか英語圏書評)
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